稲佐の浜から海岸に沿って北西に行くと日御碕があります。
そこには、経島(ふみじま)、あるいは御厳島(みいつくしま)と呼ばれる島があり、そこは禁足地となっています。
古来より、そのすぐ側にある日御碕神社の神官が、年に1度祭事の時に入ることしか許されていません。
そして、その島は、今で言う『ウミネコ』の繁殖地となっています。12月頃に5000羽ものウミネコがやって来て、
翌年7月頃に飛び去っていきます。この鴎科のウミネコが稲佐の浜にも数え切れないほど飛来します。
万葉集に詠われた『鴎』は、この鴎科の『ウミネコ』だったのです。千数百年、あるいは千七百年以上も遡るかも
しれません、その大王が詠った『鴎』は、現在に至るまで、途絶えることなく命が引き継がれていました。
そして、この『天の香具山』も4つの神社に守られるようにして今にまで残されていました。出雲では、この列島の
古代の都『やまと』、つまり『邪馬台国』に関わる多くの歴史的遺産がしっかりと引き継がれています。
途絶えていたのは、人間の認識の方でした。